情報不足で確認できていないお話です。
Mike Pass さんのタイの蒸気機関車のレポートには、SRJで使われていた蒸気機関車のリストが示されています。
その中にLima社製のShay式機関車が挙げられています。
それによると、1946にS.L.Sのメンバーが調査した際に、ボイラーのみ存在しており、ボイラーのプレートから、この機関車のものだと確認されたとあります。
なぜ、そこにあるかなどは記述がありません。
この機関車については、Mike Passさんのレポート以外には、この鉄道との直接の関連を示す資料は現在のところ見つけていません
ここでは、自分なりに調べたことを記します。
<Lima社 Shay式機関車のデータベースより>
Lima社の機関車を調査しているグループのWebsite「SHAY LOCOMOTIVE」
https://www.shaylocomotives.com/
によると、Mike Passさんのレポートにある機関車は以下のものに該当するようです。
上記サイトのデータベース情報から、Lima社のShay式の機関車の製造No.2808と思われます。
この機関車はSRJと同じ750㎜ゲージで、1915年に製造され、タイ(Siam)のBorneo Lumber Company に販売されています。
リリストによると、Lima社製でタイに送られた機関車はこれだけのようですので、Mike Passさんのリストの方の蒸気機関車に該当すると考えています。
Borneo Lumber Companyというのが、Srimaharacha Companyの経営に参画していた”Borneo Company"と考えられます。
直接、SRJに投入されたのか、いったんBorneo Lumber Company の別の場所で使われるために売られた後、Srirachaに持ち込まれて使われるようになったのか、といったことが推定されます。
データベースにはこの機関車の小さな写真があります(後述)。
メーカー: Lima
形式:2 Trucks 2 Cylinder (クラス A)
製造番号: 2808
製造年: 1915/2/12
所有者(販売先): Borneo Lumber Company (Siam)
引用元:https://www.shaylocomotives.com/data/factsheet/sn-2808.htm
<写真情報>
Sriracha lover clubの写真には、SRJの機関車であると記載されているものがあります。
この機関車は、SRJのNo.がついた機関車のいずれでもないようです(書籍「The Railways of Thailand」R.Ramaer著など)。
この写真を見ると、クラスAのShay式である車軸配置をしているようにも見えますし、Lima社製の機関車のデザインに似ています。(先頭にあるボイラーの扉など)
また、上述のShay Locomotiveのデータベースにある No. 2808の写真とよく似ているようにも見えます。
この写真がSrimaharacha companyの鉄道を撮影したものであるならば、写っている機関車は、上述のLima社Shay式機関車という可能性が高いと思います。
ただし、明確に確認できるだけの情報がなく、要調査です。
(以下、調査のためのメモ)
・特徴的なシリンダー部がある車体の右側が見えていないこともあり、この写真の機関車自体がShay式なのかどうかも明確ではありません
・写真の撮られた時期も不明。時期的に成立しているか要確認。
・この写真がSRJの機関車を撮影したものだであるとすると、製材所内で撮影されたものではないかと思われます(後ろの架台や、木の状況から)
・1946年にはボイラーのみとなっていることから、写真はそれ以前に撮影されていなければなりません。
・車体先頭のボイラーのところのデザインや、薪が置かれているところ (車両後方)のデザインなど、SHAY式の機関車とよく似ている(阿里山の機関車とも似ている)
先にも述べたShay Locomotive のデータベースを調べていくと、紹介した写真はNo.2808のものではないようです。
No.1728のデータを紹介する中でこの写真が使われていました。
データベースの情報が全く正しいかどうかはわかりませんが、No.2808のものではないと考えてよいのではないかと思います。 ちなみにNo.1728のShay式機関車はアメリカのJohn Lindsey Lbr. Co.という会社の森林鉄道として使われていたようです。
No.1728の詳細:Shay locomotives データベースより
写真に写っている人物がアジア系の人ではないと感じていましたので、納得した感じです。
(追記終わり)
上述のようなことについて確認が必要ですが、SRJで使用されていた機関車かもしれません。
もしそうならば、なぜSRJのNoがついていないのかという新たな疑問が残ります。
部品取りのような役割で運び込まれたのであれば、No.がついておらず、ボイラーのみ残っているというのもわからなくもないですが、想像の域を超えません。
<その他>
台湾の阿里山でもLima社のShay式機関車が運用・保管されいています。
2 truckタイプの機種は、上記の写真の機関車によく似ています。
昔の阿里山の鉄道の写真や、現在の機関車のデザインをみると、上述の写真のものとの類似点がおおくあり、やはり写真の機関車はLima社のSHAY式 (= リストのNo.2808)ではないかと思えてきます。
引用元:
Mike Pass さんはアジアの蒸気機関車の情報をレポートにまとめられている方です。このサイトの情報もこのレポートを参考にさせていただいていたり、了解をいただいて引用させていただています。
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